歯周病がひどくなる人/ならない人

■あなたは歯周病になりやすいのか

歯周病は細菌がつくるバイオフィルム感染症です。細菌のバイオフィルムが無ければ発症しませんが、そこにいくつかの要因が重なると重症化します。

歯周病を悪くする主な要因は、タバコ(喫煙習慣)やある種の薬剤、妊娠やホルモンバランスの変化、精神的ストレス、食生活、強い歯ぎしりや食いしばり、かみ癖などです。

局所的には歯根の形や歯肉の形態によっても影響を受けます。不良な歯の治療(不適切な根管治療やぴったり合ってない不適合な冠など)も現実には無視できない要因です。

 

●喫煙

歯周病を悪化させる最大のリスク因子はタバコ(喫煙習慣)です。全米疫学調査によると非喫煙者の4倍のリスクです。歯周病患者の4割が喫煙者、1割が過去の喫煙者でした。これまで関心が払われてこなかったのですが、喫煙者のそばにいるために煙を吸わされる受動喫煙でもリスクがある事が解っています。1日の喫煙本数が増えるにつれて、歯周病の進行との相関も高くなります。禁煙するとリスクは下がりますが、禁煙しても3〜5年までは過去の喫煙の影響が残っています。

 

●精神的ストレス

明確なデータがあるわけではないのですが、長期間大きなストレスを受け続けることは歯周病を悪化させると言われています。ストレスがリスク因子になっているのです。借金の追われているような絶え間ないストレスが引き起こす「うつ状態」も歯周病の進行に影響しています。免疫の働きに影響するためともいわれますが、精神的ストレスを発散しようとして無意識に歯を食いしばる事が、歯ぐきの破壊に手を貸しているのです。歯ぎしりの時も同じです。バイオフィルムによって炎症にさらされた歯に、このような外力が加わると、歯を支える組織はひとたまりもありません。

 

●内分泌などの全身的な条件

糖尿病は歯周病を悪くする大きな因子です。女性は妊娠、更年期に大きな内分泌(ホルモン)の変化を経験しますが、それが歯肉の異常を引き起こすことがあります。そればかりか排卵・月経の周期でホルモンの大きな変化を繰り返し、その周期によって歯肉の炎症が生じやすくなると考えられています。このほか過労によってからだの抵抗力が衰えたり、全身の重い病気にかかった時なども、歯周病は悪化します。

 

●食いしばり・歯ぎしり・歯の形態

食いしばりや歯ぎしりも歯周病を悪化させます。歯の異常な形態も歯周病を悪化させるリスク因子になります。 食いしばりや、歯ぎしりの癖は、精神的なストレスが原因と考えられますので、確実な解決策はありません。食いしばることが歯に有害であると知るだけでも、食いしばりは減ります。かぶせものの冠(クラウン)は、歯と歯の間の歯肉を痛めていることが多く、クラウンの形がその部分に合わないと、そのせいで歯周病にかかりやすくなります。かぶせたものの横っ腹が出っ張りすぎていても、やせすぎていても汚れをためる原因になります。歯の治療そのものが歯周病にかかりやすい因子になることもあるのです。

しかし、何といっても予後を決めるのは、患者さんと専門家が協力したメンテナンスです。

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