がん治療と口内炎

がん治療で口内炎がおこる
抗がん剤治療では、口内炎を起こしやすい薬剤の投与を受けたとき、また放射線治療では、お口の粘膜に放射線が直接当たったときに口内炎が起こります。口内炎ができると痛みも強く、食事も摂れないほどです。これが、がん治療で起こる口内炎です。

①抗がん剤治療による口内炎
抗がん剤が投与されると4,5日たったころにお口の粘膜に変化が現れ始めます。粘膜が腫れぼったくなって、ピリピリした感じがします。7~12日経過すると、粘膜が赤くなり、その一部がはがれて潰瘍ができます。この時期が口内炎の症状のピークです。
ピークを過ぎると、約1週間で元通りの粘膜に戻ります。口内炎の出る期間は、約2週間になります。抗がん剤治療は、2、3週間おきに繰り返し行われることが多く、そのたびに口内炎が出る可能性があります。

②放射線治療の口内炎(頭頚部がんの患者さん)
頭から首の範囲のがん治療を受ける場合で、口の周辺に放射線がかかる患者さんの場合、放射線治療は毎日少しの量の放射線を6韓週間かけて照射します。放射線治療の口内炎は、普通治療開始後2週間ごろから始まります。抗がん剤のみの場合と比べて口内炎の症状は強く、また長期間続きます。この治療では口内炎の出ている期間は約8週間になります。

③抗がん剤と放射線の同時治療の口内炎
頭頚部がんの治療を受ける場合で、口の周囲に放射線をかけながら、同時に抗がん剤治療を行う患者さんの場合は、抗がん剤のみ、放射線治療のみの場合と比べて、口内炎の症状が最も強く、また長期間続きます。口内炎の出ている期間は8~12週間になります。

口内炎の痛みにどう対処するのか
がん治療に伴う口内炎には強い痛みがともない、口の粘膜からのどの粘膜に口内炎が広がると、形のある食べ物ばかりでなく、水などの液体を採ることもつらく困難になってきます。この状態が続くと栄養不足や脱水状態になってしまいます。このような状態は、局所麻酔薬の入ったうがい薬や痛み止め、さらに医療用麻薬を使って軽くすることができます。担当医にご相談ください。