保険診療と自費診療
当院では、ご希望により保険診療、自費診療(自由診療)のどちらも受けていただくことが可能です。
保険診療は、日本の保険制度の取り決めに基づいて行われます。一方、自由診療は、知識、技術、高価な材料、器材を使い、患者の皆さまにとって本当に有意義であり、安全、安心で長持ちする医療をご提供しております。その為、われわれは日々研鑽を怠らず、研究会、講習会に参加し、治療技術の向上に努めております。
保険診療については、基本的に日本国民が平等に定められた医療を受けることができるという点で、よいシステムだと言えます。歯科治療が保険に組み込まれていない先進国も多いのです。その点、日本は恵まれているかもしれません。
しかし、反面保険診療では、現代の世界的なレベルの治療は受けることができないという問題点もあります。具体的に言いますと、保険には定められたルールがあり、それを無視することはできません。つまり医師の裁量権が効かないことも存在するのです。そして、この保険医療のシステムは、歯科に限って言えば、進歩著しい現代の医療を反映しているとは言い難いのです。まして、昨今の事実上崩壊状態の医療、年金システム、少子高齢化を考えると、国民に対して十分な医療が給付できる財政状態でないことは確かではないでしょうか。
結論から言えば、保険診療(歯科に限って言えば)は財政的にみて、優れた医療を提供できる状態ではありません。ですから、現時点では、患者さんに対して優れた治療、患者の希望どうりの治療、そして医療者が日々研鑽したより良き治療を提供できるものとは言えないことも御理解いただきたいのです。
当院の自由診療のコンセプトは、
「予知性を以って、質が高く、安全で充実した医療を丁寧に施す」
ということです。
言い換えると、今持っている知識、技術、薬剤、設備を個々の患者さんに合わせ最適なものとして提供することを目指しています。これが自由診療(自費診療)のあるべき姿でしょう。そのため多くの研修、トレーニングへの参加、設備の充実、優秀なスタッフの確保を怠りません。
例えば、保険診療と自由診療の違いは単に使われる材料(銀とか金とか)の違いだけではなく、そのクオリティー(適合性など)が重要なんです。
適合性とは詰め物やかぶせ物と自分の歯の境目の部分が段差なくいかにピッタリしているかをいい、顕微鏡レベルでほとんど段差のないレベルに合わせて、プラークがたまりにくく清掃性がいい状態にするのが重要で、これによりむし歯の再発や歯周病の発生を防ぐことができます。これについては、優秀な歯科技工士選びも欠かせません。
それには高度な技術と特別な材料が必要となりそれなりのコストがかかります。健康保険の範囲ではできません。また使用される材料はコストがかかったとしても安全性を優先すべきであると考えます。
日本の歯科医師の数は多く、歯科医師過剰などと巷間言われていますが、質も世界的に見て充分なはずです。ところが、この恵まれた条件にもかかわらず、国民の口の中はむし歯や治療済みの歯(けっして治っているわけではありません)がたくさんあり、健康な歯の数は世界レベルからは程遠い状態にあります。
欧米で歯の治療を受けた場合に治療費を日本と比較すると、例えばアメリカで、むし歯に金属を詰める治療をすると日本の18倍、白い樹脂をつめると9倍、歯の神経の治療は18倍もかかるというデータがあります。
そして、歯科の受診患者数は外国の平均よりかなり多く、日本の医療は薄利多売傾向にあるかもしれません。つまり安価な治療を何度も繰り返している可能性があります。それが歯にいいか悪いかはお分かりだと思いますが・・・・・。
我々は神様ではありませんから、行える治療には限界があります。治療中心主義による弊害も出尽くした感があります。
本来の健康な天然歯の状態に勝るものはないと考えております。だからこそ患者さんにとって最高最善の医療とは、「予防を中心とした歯科医療」になると考えています。
また、もし治療をするのであれば、病気を引き起こした原因を検査し、その原因を除去し、それを踏まえて、私達ができる最高最善の医療を提供したい、それこそ真の歯科医療のあり方だと考えています。