夜間、睡眠中の食いしばりや歯ぎしりは危険

今回は、歯ぎしりのお話です。ヒトは多かれ少なかれ「歯ぎしり」や「食いしばり」を無意識でしています。これは生理的な現象です。悔しい思いをしたとき、悲しい思いをしたとき、ゴルフでティーショットを打つ時強い力で歯を噛みしめます。この時、我々の歯には非常に強い力がかかっています。もちろん、歯には悪いです。さて、大きな問題を引き起こすのが「夜間睡眠中の歯ぎしり」です。

個人差はあるのですが、この食いしばりや歯ぎしりが異常に強い人は、歯に微小な亀裂(ひび)が入ったりして虫歯が発生したり、歯がゆすられ歯槽骨が吸収されて歯周ポケットが深くなり、歯周病が進行していきます。そのほか、歯のかぶせものや詰め物が取れやすくなります。いつもよく歯を磨いているにもかかわらず虫歯治療を頻繁にしている方はこの夜間の歯ぎしり、食いしばりを疑ってみる必要があります。夜間の食いしばりは、通常の咬合力の3倍という異常な力で無意識下でかみ合わせているんです。

朝起きるとアゴの筋肉がつかれていたりします。口腔内所見では、骨隆起が口蓋や歯槽骨に見られ歯ぐきがボコボコした感じを呈しています。治療は、咬む力をコントロールするナイトガードと呼ばれるマウスピースを夜間装着したりしてみます。歯が虫歯になるたびに削って詰めるんじゃなくて、根本の原因に対処するほうが賢い生き方だと思います。いずれにしても、かかりつけの歯医者さんで相談することをお勧めします。