見過ごされやすい早朝高血圧

今回は、病院の診察室で計った血圧が正常だからと安心してはいけないというお話です。
血圧は測定する場所や時間帯などで大きく変動いたします。最近では家庭用血圧計が普及し、ご家庭で手軽に血圧を計れるようになってきました。そして、血圧にも様々なタイプがあることがわかってきました。

仮面高血圧
診察室で計る血圧は正常でも、家で測ると高くなると言う高血圧で2つのタイプがあります。
早朝高血圧:早朝に血圧が高くなるタイプで、高血圧患者の60%に認められます。
夜間高血圧:昼間の血圧に比べて、夜寝ている間も血圧が下がらないか、さらに高い状態が続くタイプ。

白衣高血圧
家庭での血圧は正常であるが、診察室では高くなるタイプ。歯医者さんに来ると、血圧があがる患者さんがいます。あのキーンという音でも上がります(笑い)。

なぜ早朝高血圧はなぜ注意が必要なのでしょう
早朝高血圧の人は、診療室で計ると正常で治療がうまく行っているように見えるため見過ごされやすく、気づかないうちに脳卒中や心臓病のリスクが進む危険性があります。すでに高血圧の治療を受けている方にも多く見られます。

早朝高血圧には2つのタイプがあります。
早朝に血圧が上昇するタイプ
寝ている間の血圧は正常ですが、朝目覚めるころ血圧が急上昇するタイプ
夜間から血圧が高いタイプ
夜間から早朝にかけて高血圧の状態が持続するタイプ

早朝高血圧を含む仮面高血圧の危険性は、正常血圧の危険性に比べて、持続性高血圧患者と同程度の2倍となっています。

なぜ早朝高血圧になるの
早朝に血圧が高くなるのは、自律神経のバランスが変わるためと考えられています。通常、夜寝ている間は副交感神経が働いてリラックス状態になります。血圧も安定しています。一方、早朝は体を活動させようと交感神経が働いて、体が緊張状態になり、血管が収縮して血圧が上昇します。

もともとある高血圧にこうした早朝の血圧上昇が加わるために、脳卒中や心筋梗塞などを発症する危険が高まるのです。

歯医者さんで治療を受けるときは、血圧の薬をしっかり飲んで受診しましょう。血圧が高めの時は、計ってもらいましょう。あまり高い場合は、治療を延期することもあります。