お口の粘膜の病気 白板症とは
白板症(はくばんしょう)というのは、お口の粘膜に生じたこすっても取れない白い板状ないしは斑状の表面の硬い(角化)病変です。粘膜が白くなり、こすっても取れないのが特徴です。カンジタ症とは違う病変です。
白板症の原因ははっきりしていません。女性より男性に多く、男性は女性の2倍です。男性は喫煙率が高いせいかもしれません。50~60歳に多く発症しますが、広い年代で分布しています。白板症のできる部位は、下顎の歯ぐきが最も多く、次いで舌、頬粘膜、上顎、口腔底、硬口蓋、口唇の順となっています。多くは、診察により診断可能です。痛みのあるものは少ないですが、痛みのあるものは、要注意です。まれには、初期のがんであることもあるのです。そのようなときには、細胞を採取する生検が必要になります。お口の中の前がん病変(進行するとがんになる病気)の代表は白板症なのです。
治療
治療は、まず刺激のもとになっているものがあれば、それを除去します。薬物療法としては、ビタミンAが有効です。ビタミンAを投与してそれに反応するかを観察します。薬物療法に反応しない場合は手術により切除します。そして、切除後も長期の経過観察が欠かせません。10~20%の症例で再発が見られます。白板症患者の8%には悪性化が見られます。しかし、経過観察に応じている患者の癌の治療成績は良好です。