抜歯したあとの治りが悪いとき

歯を抜いたあとは、しばらく多少の出血があります。2時間くらい硬く巻いたガーゼをかむことによって通常血は止まります。

止まったといっても、抜歯当日は、じくじくにじむ程度に出血は続くのが普通でしょう。気持ち悪いからといって、頻繁にうがいを繰り返すのは、かえって出血を長引かせてしまうものです。

また、抜歯後にあまりお風呂で長湯をするのもよくありません。血のめぐりが良くなって、抜歯した部分から出血が起こったりします。長湯はしないでください。

それでも出血が続き、口の中に団子状の血の塊ができるようだとちょっと注意が必要です。そのような場合は、歯科医院で診察を受けてください。血が止まりにくい原因としては、

  • 重度の歯周病などで炎症が強い場合
  • 肝臓病や白血病、血小板減少症などの血液の病気で出血しやすい場合
  • 脳梗塞や心筋梗塞で血を固まりにくくする薬を服用している場合

などが考えられます。

また、抜歯した穴の痛みや治りの遅れが見られることがあります。こういうのは「ドライソケット」といいます。

この原因としては、抜歯後のうがいのし過ぎや麻酔薬の血管収縮作用の影響で抜歯した穴に血液が満たされず、骨を覆う肉芽という組織の成長が阻害されることによって、局所的な炎症が生じているためです。こういう場合は、治癒に時間がかかります。抜歯した先生に診てもらいましょう。