口腔乾燥症とは

口の中が乾く
お口の中が異常に乾く状態を口腔乾燥症と言います。
お口の中が乾くのは、水分の摂取量が少なかったり、例えば激しい運動などで多量の水分が失われた場合に起こります。

慢性的に水分の摂取不足が続く場合は、全身的な病気や何か重大な障害(例えば腫瘍ができて飲み込みが困難)などが考えられます。大量に水分が喪失する場合は、高熱による多量の発汗や糖尿病による多尿などの原因疾患があり、脱水症状の結果、口の渇き(口渇)が起こります。また、鉄欠乏性貧血などの随伴症状として、萎縮性舌炎とともに口渇が見られる場合もあります。このような場合には原因となる疾患の治療が必要です。

唾液腺の痛みや腫れを主症状とするミクリッツ症候群やシェーグレン症候群と言われる病気では、唾液腺の分泌機能が障害されるため口腔乾燥症が見られます。このような病気では、同時に涙の分泌も減少し、目の乾燥症状(ドライアイ)も見られます。

抗ヒスタミン薬や制酸薬、降圧薬(血圧を下げる薬)や向精神薬の服用でも唾液は少なくなります。
鼻づまりによる口呼吸はお口を乾燥させます。入れ歯が唾液の分泌を抑制する場合もあります。

口腔乾燥症の方は、口臭が強くなったり、歯周病や虫歯になりやすくなります。また、お口の粘膜が傷つきやすいので入れ歯が痛くなりやすいです。こまめに水などでお口の中を潤すことが大切です。このとき水分として、コーヒーなどのカフェインの入ったものは避けてください。カフェインには利尿作用があるのでかえって体から水分を出してしまいます。