酸の危険性について

 

スポーツドリンクや清涼飲料水などに含まれている「酸」は歯を溶かします。特に、酢や炭酸、クエン酸、アスコルビン酸(ビタミC)の入ったドリンクは注意が必要です。酸を口に含むと「脱灰」といって、歯の表面からカルシウムが溶け出します。とけた表面はそぞうになります。なんとなく歯の表面をべろで触ると感触に違和感を感じるはずです。もし、飲んだ後は、水でうがいをして30分以上あけてからブラッシングしてください。すぐブラッシングすると、そぞうとなった歯の表面は磨耗しやすいので大変危険です。30分あけることで、唾液の作用により再石灰化がおこり、もとの硬さに歯はもどります。
常に酸の入ったドリンクを常用していると、知覚過敏を起こします。知覚過敏の原因は、歯周病でも起こりますが、酸により起こる例も多いのです。夏場、若い人は炭酸系清涼飲料で、健康を考える高齢者は、酢で歯を溶かします。そして、冬場は冷たい水道水や冷たい風で知覚過敏を起こします。
酸性度の高い飲料などで歯が虫歯になってしまう症状を酸蝕症といいます。虫歯予防の観点からは、習慣的にそのような酸性飲料を飲むべきではありません。特に歯ぐきが退縮した中・高年者は注意が必要です。根面う蝕といって根っこの部分だけが虫歯になります。経口補水液である「OS-1」は脱水状態時に飲用する物ですが、健康時にウォーキングやジョギング程度で飲用しないほうが無難です。pHが3.5と低く(酸性度が高い)歯の脱灰の危険性もあるうえ塩分過剰摂取の可能性も高いのです。高血圧の高齢者が常用するのは危険です。