歯周病治療を受けるにあたっての心構え
歯周病は生活習慣病です
歯周病は、歯の根元に付着している歯周病原生細菌の産生する毒素によって歯周組織が壊され歯が抜けていくという病気です。
ジワリジワリ進行するため症状が出るころにはすでに重症になっていることも多いのです。ここで簡単にその予防はといえば、歯ブラシ(プラークコントロール)ということになります。治療の一環としての専門的なブラッシングです。まずは、歯ブラシを徹底的にやらないと治療は進みません。
つまり、歯ブラシをよくする生活習慣に改めるということです。
治療の第一歩で、私の役割は患者さんに歯ブラシを徹底してもらうように説得することなのです。患者さんは歯周病を自覚したり、他人から口臭を指摘されて来院するわけですが、治療について説明を受けて、歯ブラシと聞いて、えっと思うかもしれません。 歯周病は、早期発見であれば完全に治るものです。
歯を削らず、ましてや一本も抜かずに、歯ブラシ一本で治せることもあります。しかし、歯石は取り除かなくてはなりません。硬い歯石は歯磨きでは取れないからです。逆に、歯石を取ったからといって歯みがきをさぼれば、その日から歯垢が付き始めて何にもなりません。仮に歯周病の手術をしたとしても、術後に歯を磨かなければ炎症は再発します。
まさに歯周病の治療は歯磨きに始まり、歯磨きに終るということです
まさに、歯磨きは、歯周病治療の一環であると御理解ください。歯磨きがいかに大切かという一例をあげましょう。
アメリカのボストン大学に歯周病の権威であるゴールドマン博士がいらっしゃいます。歯周病患者に、まず歯を磨かせることを励行させた結果、大きな手術をしなければならなかった人が、ごく軽い手術ですみ、ちょっとした手術をしなければいけないと考えていた人が、手術をしなくてすんだという結果が出たそうです。
同じような事は私もよく経験します。
例えば、歯周ポケットが6ミリあったとすると、歯磨きを励行することで歯肉が3ミリ収縮して歯周ポケットが3ミリになれば、手術を回避できるということなんです。
もし、あなたが歯ブラシは嫌いとか、歯ブラシは苦手と思っているのならば歯周病治療はやっても無駄です。もし、がんばってみようと思っていただけるのなら、私は大いに力になりたいと思います。